1.家(不動産)を相続するときに発生する税金とは?

 

家(不動産)を相続するときに発生する税金にはどのようなものがあるのだろう。

なにか上手な節税対策はないのだろうかということについてお話します。

 

 1-1.家(不動産)を相続するときには登録免許税が発生する

不動産の相続登記をするときには登録免許税が課税されます。

納税義務者は登記や登録等を受ける者、納税地は納税義務者が受ける登記等の事務をつかさどる登記官署等の所在地です。

原則現金で納付をし、その領収証書を登記等の申請書に貼り付けて提出します。税額が3万円以下の場合には印紙納付をすることができます。

 

 1-2.登録免許税の計算の仕方

登録免許税は、不動産の価額に税率を乗じて計算されます。

ここでいう不動産の価額とは固定資産評価明細書に記載されている不動産評価額(1,000円未満を切り捨てます。)をさします。

そして税率は、相続人が取得した場合と相続人以外が取得した場合で異なります。相続人が取得した場合は税率が1000分の4に対して、相続人以外の人が取得した場合は税率が1000分の20になります(100円未満切捨て)。

なお、相続人以外が取得した場合には、登録免許税の他に不動産取得税(特定遺贈は3%(住宅)、4%(非住宅))も課税されますので、相続人以外の人が取得する場合には、不動産取得税・登録免許税についてご留意ください。

また、平成30年度の税制改正により、相続により土地を取得した方が相続登記をしないで死亡した場合の登録免許税の免税措置が設けられましたので、ご留意ください。

 

 1-3.家(不動産)を相続するときには相続税が発生する

「相続税は、個人が被相続人から相続などによって財産を取得した場合に、その取得した財産に課される税金です。」とされています。

家(不動産)は財産ですので、相続した場合は相続税が課せられます。

 

 1-4.相続税の計算の仕方

相続税の計算について、大まかな流れを示します。詳しくは国税庁のホームページでご確認ください。

 

具体的な計算方法及び計算の順序は次のとおりです。

 (1)まず、相続税総額を計算します。

「被相続人から相続などによって財産を取得した人それぞれの課税価格の合計額」から「相続財産の価額から控除できる債務と葬式費用の合計額」を差し引き課税価格の合計額を計算します。

 

課税価格の合計額から基礎控除額を差し引いて課税される遺産の総額を計算します。

「遺産に係る基礎控除額」 は3,000 万円 +(600 万円×法定相続人の数)となっています。

 

次に課税遺産総額を民法の法定相続分に従って取得したものとして、各法定相続人の取得金額を計算します。そして、法定相続人ごとの取得金額に税率を乗じて相続税の総額の基となる税額を算出します。

 

なお、「法定相続人の数」は、相続人のうち相続の放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいいますが、被相続人に養子がいる場合に法定相続人の数に含める養子の数は、実子がいるときは1人(実子がいないときは2人)までとなりますのでご注意ください。

 

 (2)各人ごとの相続税額の計算

相続税の総額を、財産を取得した人の課税価格に応じて割り振って、財産を取得した人ごとの税額を計算します。

相続税の総額 × 各人の課税価格 ÷ 課税価格の合計額 = 各相続人等の税額

 

 (3)各人の納付税額の計算

各相続人等の税額から各種の税額控除額を差し引いた残りの額が各人の納付税額になります。

ただし、養子や遺贈などで財産を取得した人が被相続人の一親等の血族(代襲相続人となった孫(直系卑属)を含みます。)及び配偶者以外の者である場合、税額控除を差し引く前の相続税額にその20%相当額を加算した後、税額控除額を差し引きます。

 

2.家(不動産)を相続する時に発生する税金の節税方法

 

 2-1.小規模宅地等の特例

家(不動産)を相続する時に発生する税金の節税方法で効果が大きいものは、亡くなった被相続人所有の家屋をそこで一緒に暮らしていた配偶者や親族等が相続する場合など、課税価格が最大80%減額される「小規模宅地等の特例」の活用です。

対象は、「被相続人等の事業の用に供されていた宅地等」及び「被相続人等の居住の用に供されていた宅地等」です。このうち一定の要件に該当する土地について、限度面積までの部分について相続税の課税価格が最大80%減額されます。

 

この特例の適用を受けるためには、相続税の申告書にこの特例を受けようとする旨を記載するとともに、小規模宅地等に係る計算の明細書や遺産分割協議書の写しなど一定の書類を添付する必要があります。

 

 2-2.配偶者の税額の軽減

「配偶者の税額の軽減」は、配偶者の実際に取得した正味の遺産額が1億6千万円または法定相続分相当額のどちらか多い金額まで相続税がかからないという制度です。

したがって、評価額が大きい不動産を配偶者に相続することは、相続税の大きな軽減となります。

ただし、一次相続で「配偶者の税額の軽減」を活用して税額を減少させても、二次相続でその不動産は相続財産に含まれてしまい、一次相続と二次相続を合計するとかえって相続税が増加してしまう可能性もあります。したがって、実際には一次相続と二次相続をトータルで検討し、一次相続で配偶者に不動産を相続させるべきか否かを検討することをお勧めします。

 

3.家(不動産)を相続するときの注意点

 

相続に関してはトラブルを耳にします。

将来のトラブル(特に相続人間の争い)を事前に避けるためには、どの不動産は誰にと事前に決めておくことは有効な方法です。

例えば、遺言書の作成です。遺言書の作成は、遺産分割協議書と異なり、被相続人の意思で不動産を相続することができるため、相続人間のトラブルを避けることができます。

また、不動産を生前に贈与することでトラブルを回避することができます。

婚姻期間が20年以上の夫婦間において住んでいる家を贈与した場合に最高2,000万円まで配偶者控除ができる「贈与税の配偶者控除」や60歳以上の父母又は祖父母から、20歳以上の子又は孫に対し、2,500万円まで特別控除額を利用できる「相続時精算課税の制度」を活用して、不動産を事前に承継してトラブルを回避する方法も考えられます。

 

4.まとめ

 

一般的に相続財産に占める不動産の割合は非常に大きくなるケースが多いため、小規模宅地等の特例が適用できるか否かで相続税額が大きく変わる可能性があります。

小規模宅地等の特例含め、不動産の特例を適用する場合、いろいろな要件を満たさないと適用できないケースが多いため、適用できるか否か、適用するためにはどのような方法があるかなどの早めの検討が必要になります。

また、同様に相続財産に占める不動産の割合が多い場合、遺産分割時に相続人間で財産のバランスを取ろうと、財産の分け方が非常に難しくなるケースがよくあります。そのため、分割の方法等を早めに検討をしないと相続人間のトラブルの種になりかねません。

このように、少しでも相続税を節税したいと思う方、相続人間のトラブルを避けたい方は相続に詳しい税理士等専門家に早めに依頼することをご検討ください。

投稿者: 相原仲一郎

税理士、相続診断士、事業承継スペシャリスト。 約15年間、相続・事業承継のコンサルティング業務及び相続税の申告業務を中心に活動。 多くの案件に関与してきた実績に基づき、「次世代に円滑な承継」をテーマとしてクライアントの承継問題を解決している。